『行動学』を学びませんか!?(9)
では、今回も前回の回答です。
①消去バースト
②具体的な無視の指示
③60秒ルールによる無視の終了方法
④きちんとやらなかった時のリスク
ここまで説明しても、飼主様が“無視”を続けることができない理由とは何か?
それは、
“周囲の目(=ご近所への迷惑)”です。
もう、お分かりですよね!?
そう、飼主様には「我慢したくても我慢できない別の問題がある」のです。
問題とされる犬の行動が「要求吠え」で、他の問題行動と呼ばれるものと違う点は“周囲にもその影響が及ぶ”というところです。つまり、飼主様自身は我慢できるかもしれませんが、その吠え声が“周りの人”に迷惑をかけるようなことはしたくない訳で、これが愛犬への“無視”を妨げる大きな要因になるのです。
こうして考えると、飼主様もその行動においては例外無く“随伴性”の中にあり、やらなければならないことは分かっていても、続けることができなくなってしまうということが分かります。
「ずぅ~っと吠えてるので…」って、昔はよく言われたものです…。
そして、そこから先は、何もアドバイスできませんでした。
「無視するしかないじゃん…」って思っていたので…。
しかし、これでは何の解決にもならないんです。
で、今はどうしてるのか?
“ご近所の方々に、協力のお願いをして回り、質問や苦情については飼主様ではなく自分(=ドッグトレーナー)のところに連絡を入れてもらう”
ようにしています。
こうすることで、一連の作業における全責任をドッグトレーナーが負い責務をまっとうすると共に、飼主様は基本的には心置きなく“無視”ができ、「要求吠え」と呼ばれる問題行動の根本的解消に取り組むことができるようになります。
「なんだよ、またそんなことかよ~。」と思われるかもしれませんが、「要求吠え」に対する“無視”を確実に実行してもらえるようにするには、これは、かなり有効です。
そして、このような分野の識者の方たちと接することで、「あなたたちの仕事については、飼主様の環境を整えるというところに目を向けるのが『行動分析学』を学ぶ上での真骨頂ですよ。」という風に教わった結果として、今ではこうして皆さんにお伝えすることができるようになりました。確かに、こうした物の見方やそんな責任の取り方を教えてくれるドッグトレーニングの先生は今までいませんでしたからね…。
ということで、このブログに書いてきたことは、すべて教わった話です。まるで私のオリジナルのような話に見えたかもしれませんが、そこはハッキリさせておきましょう。
そうではありません。全部教わった話です。
「要求吠え」への対処から、ちょっと話の筋が逸れてしまいましたが、いかがでしたでしょうか?
『行動分析学』、あなたも一緒に学びませんか?
DLC-PRO 山崎 崇