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『行動学』を学びませんか!?(5)

『行動学』を学びませんか?シリーズも、今回で第5弾です。

そろそろ、もう少し踏み込んだ内容にしてみようと思います。
これまでにも“陽性強化”については、「今の“陽性強化”は、ちょっとおかしいんじゃないか?」ということで、話が展開されてきましたが、では、その“陽性強化”とは、そもそも何なのだ!?というところに視点を移してみましょう。

と、その前に…。

以下に示す言葉の意味を理解している方は、どれくらいいるのでしょうか?

①正の強化(positive reinforcement)
②負の強化(negative reinforcement)
③正の弱化(罰:positive punishment)
④負の弱化(省略:negative punishment)
⑤シェイピング
⑥消去
⑦消去抵抗
⑧消去バースト
⑨強化スケジュール
⑩確立操作

これらの用語は、すべて『行動分析学』において使用されているものばかりです。
当然のことながら、『行動分析学』を学んだ者であれば知らない者はまずいないし、知らなければ、それは『行動分析学』を学んだとは言えない…というくらいに初歩の用語になります。

あなたは、いかがですか?

もちろん、私は理解しています。ただ、今でこそです…。

おそらく、①~⑤は大半の方が知っておられることでしょう。⑥~⑨については私の経験値では約60%くらいの方が知っているように感じます。しかし、⑩に関しては、ほとんどのドッグトレーナーは聞いたこともない言葉のようで…、ドッグトレーナーの口からこの言葉を聞いたことがありません。

そして、今ここで確認したいのは、“知っているか?”ではなく“理解しているか?”ということです。このことが大きな違いを意味することは、ご理解いただけるものと思います。

そう、「知っているけど使えない」では意味がないですし、ホントは「理解している」こともあまり大きな意味を持ちません。厳密には「正しく」「使う」=「レッスンの現場で適切に使用する」ことができてこそ意味を持つものなのです。その上で、「知っている」レベルではなく「理解している」というレベルであることは、大前提となる訳です。

さて、それでは本題に戻りましょう。

そもそも“陽性強化”って何なのか?

答えは、簡単っ!!

“陽性強化”=“正の強化”

ということなのですが、キチンと説明いたしましょう。そう言える理由は、以下の通りです。

まず、上記10項目中の「①正の強化」に注目しましょう。これを英語にすると(そこにもあるように)“positive reinforcement”となり、これは『心理学』、とりわけ『行動分析学』で使用される専門用語です。よって、「行動分析学者」でなくても「心理学」系の識者であれば、まず間違いなく「正の強化」と訳します。つまり、“positive=「正」”“reinforcement=「強化」”の関係です。一方、この“positive”を「陽性」と訳す業界があります。それは、『医師』です。彼らは、“positive”を「陽性」と訳します。そして、日本に“陽性強化”を持ち込んだ最初の人物であるT・R氏は、1990年JAHA主催の「家庭犬しつけインストラクター養成講座」に講師として来日されております。JAHAはといえば、その和名を「日本動物病院福祉協会」というのですから、『獣医』さんの集まりであることは容易に想像できますよね。そう、『獣医』さんは『医師』な訳です。“陽性強化”の命名秘話については、これ以上、語る必要もないでしょう。

さらに付け加えるならば、「科学的な裏付けをもとにしたトレーニング理論」を売り文句にしているのですから、彼女も「心理学」の世界に足を踏み入れたに違いありません。だからこそ、“positive reinforcement”という言葉に行き着いたのでしょうし、その言葉を使用するに至ったのでしょう。

それを翻訳したのが、たまたま『獣医師』だった…。

そういうことなんです。

以来、“陽性強化”はドッグトレーニングの王道として日本に君臨していく訳ですが、残念なことに、これが『理論』ではなく『やり方』として伝播していくのでした…。

なので、現状は…、

“陽性強化”“正の強化”
ですよっ!!

ホントは、同じ『理論』であるはずなんですけどね…。

DLC-PRO  山崎 崇

カテゴリー: 『行動学』を学びませんか? — dlc-pro 2:42 AM

『行動学』を学びませんか!?(4)

前回は、“医師”を例にして、ドッグトレーニングは、『やり方』ではなく『理論』を基にした『技術』施行でなければいけないという話を展開しました。

今回は、その流れをもう少しだけ引っ張ります。

私たちドッグトレーナーの認定には、“医師”のような国家資格としてのプレミアはありません。どこの団体の認定を取っていても、その部分では、大きな差はないのが現状です。もちろん、各団体の一般的なイメージとしての“ブランド力”の差はありますが、それは、ドッグトレーナー個人の実力や魅力とは無関係です。

その証拠に、飼主様から「どちらの認定を持っていらっしゃるんですか?」と質問されることは、ゼロではありませんが、ほぼ皆無に等しい状態です。まして、「J○Cの認定じゃなかったので断られた。」なんて話は聞いたこともありません。

このことからも分るように飼主様からしてみれば、私たちドッグトレーナーの“肩書き”自体は、あまり意味のないものであり、“ドッグトレーナー”という以上は、“『持論』を展開する人”ではなく“『理論』を学んだ人である”ということを大前提に、その“ドッグトレーナー”個人が信任されている状態であるといえます。

しかし、その肝心な『理論』は、どうでしょうか?

私自身が立場上、専門学校卒のドッグトレーナーと接する機会が多いので、その辺りを聞いてみると面白い答えが返ってくるというお話しを以前にもしましたが、“陽性強化”ひとつ取ってみても、『理論』としての会話は成立しないのが実情です。(←これは、学校でそのように習うのだから仕方がないというお話もしました…)

そして、ここ最近、一番多くドッグトレーナーを輩出しているのは、ドッグトレーニング科のある専門学校…、ということは、現実の世界がどのような状態か?だいたいの想像がつきますよね…。

おそらく、『理論』を理解しているとは言えないドッグトレーナーが相当数存在するものと思われ、これはきっと飼主様の期待を裏切っている可能性が高い…と言えそうです。

「結果が出れば、それでいいじゃないかっ!!」と、おっしゃる方がいるかもしれませんが、それは、今の議論の対象ではありません。(←しかし、もしそんなことをおっしゃる方がいるとしたら、非常に“無秩序”な業界ですね。)

“『理論』を修得し、根拠をもって施策を講じる。”ことは、それを業として報酬を受け取る者の義務ですっ!!

ドッグトレーナーとて例外ではないでしょう。

ならば、この状態…、目を瞑って放置する訳にはいきません。

ドッグトレーニングの『理論』は『行動分析学』です。これは、何もDLC-PROが独占するものではありませんし、できるはずもありません。ただ、皆さんが日々活躍されるドッグトレーニングの現場で使われている“陽性強化法”も“〇〇式”も“▲▲流”も、その『やり方』の基本原理はすべてこの『行動分析学』の中に集約されているものですので、その事実を知ってもらい、もう一度きちんと勉強してみませんか?と言いたいのです。

弊社、DLC-PROは、それを学習することができる環境を提供し、この問題に対処したいと考えております。

「ちょっと聞いてみたいな…」と思われた方、ちょっとだけ聞いてみてください。

“本物”を用意してお待ちしております。

DLC-PRO 山崎 崇

カテゴリー: 『行動学』を学びませんか? — dlc-pro 10:06 PM

『行動学』を学びませんか!?(3)

さてさて、『行動学』を学びませんか?part3です。

前回、“不思議な陽性強化”を例に挙げ、『行動学』の正体が『行動分析学』であるという話をいたしましたが、これは、“陽性強化”が「おかしい」とか「いけない」ということではありません。現に私も、技術面だけを見れば、いわゆる“陽性強化”を使うドッグトレーナーですので、そのこと自体になんら問題を感じるものではありません。ただ、こうした弊害がなぜ生じるのかというところにはスポットを当て、その原因を徹底的に解明しなければならないと感じています。

なぜならば、このような問題の放置は、やがては自分達の首を絞めることになりかねないからです。(このメカニズムについては、また追々取り上げることにします。)

しかし、なぜこれらが“問題”なのでしょうか?

それは、その間違った『やり方』が、“思わぬ結果”を招いてしまうことになりかねないからです。

『行動分析学』を学んだことがある方ならば、「あぁ~、あのことか…。」ともうお分りのはずです。

そうっ!!“あの”ことなのですが、知らない人は、ずっと知らないままです…。

それが理由で、今日のドッグトレーニングは“褒めて育てようっ!!”というスタンスを取っているにも関わらず、それを知らずにただ盲目的に“褒めて育てる”を声高に叫ぶだけでは、根拠に乏しいですよね…。

少々話の筋が逸れてしまいましたが、つまり、この問題を放置することは、トレーニングを依頼した“飼主様”に不利益をもたらすことになる可能性が高いということで、“問題”ということができます。

飼主様からしてみれば、“そんなこととは露知らず…”、では済まされない“大問題”でしょう。

この“大問題”を解決できる『理論』が、『行動分析学』の中にあります。というか、凝縮されているのです。そして、そのことに是非とも気付いてもらいたい訳です。

現在、私たちドッグトレーナーが使っている様々な『技術』は、すべて『行動分析学』の『理論』から成り立っており、それ以上でもそれ以下でもありません。ただ、悲しいことに大多数のドッグトレーナーが『技術』のみを有し、その『理論』を持ち合わせず、解決できる問題を処理できずに悩んでいる現実があります。

そういった意味で、“陽性強化”もいつの間にか、『理論』から『技術』→『やり方』へと変貌し、問題解決への柔軟性を欠いたものになってしまったことは、非常に残念です。それでは、『理論』に基づいた『技術』ではなく、単なる『やり方』を知っているに過ぎないからです。

これは、いうなれば、「無免許の医者」と同じであると、いつも例えるのですが、あなた自身が診てもらうなら、以下のどちらがいいですか?

①腕はそこそこでも、きちんと大学を出て医師国家試験に合格したお医者さん
②腕は確かだが、医師免許は持っておらず“経験”と“勘”が頼りのお医者さん(←お医者さんとは呼べないですが…。)

あなたならどちらを選びますか?

どちらかを選ばなければならないのであれば、おそらく、迷うことなく①を選ばれることと思います。

その選択理由は、何でしたか?

そう、私たちも、たぶんこれと同じ立場にあると思うのです。

(あ、念のために申し上げておきますが、ここでいう選択理由は、「資格の有無」ではないですよ!!)

両者の違いは、

①広く一般に知られた『理論』を学んだ人
②特定の個人があみ出した『持論』を展開する人

です。

そろそろ、全体像が見えてきましたね。

皆さん、学ぶなら『行動分析学』を学びましょうっ!!

DLC-PRO 山崎 崇

カテゴリー: 『行動学』を学びませんか? — dlc-pro 2:22 PM  コメント (0)