お国変われば…。―畜犬登録編(フランス)―
私は、ワインで有名なフランス、ブリュゴーニュ地方の首都市ディジョン在住15年のクッキーです。ディジョンで結婚し、現在10歳と9歳の男の子がいます。
普段は、プチホテルの経営www.petit-tertre.fr(←ちょっと宣伝です)と日本語補習授業校の校長兼会長をしているので、何かと忙しい毎日ですが、縁あって今回このようなレポートを書くことになりました。
日本のドッグトレーナーの皆さんが、日本で犬を飼う環境を整えていく上での良いヒントになればと思います。
さて、お国変われば犬事情も変わるもので、第一回目の今日はフランスの犬事情、登録制度についてのお話です。
こちらは初めて犬を飼った場合、獣医に連れて行き予防接種(これも、日本とは違うところが多いと思いますので後日reportします)を受けさせ、Société Centrale Canine(中央犬協会)が管理する登録番号を刺青で彫ってもらいます。これで、登録は完了。つまり、日本のように犬を管理するのは、お役所ではありません。
刺青を入れる箇所は、耳の裏側や太ももの裏側など飼い主が選びます。刺青で彫ってもらう登録番号は、犬のIdentityみたいなもので、日本でいう“micro-chip”のアナログ版とでもいえばいいでしょうか、万が一、迷子になった場合、その登録番号を調べれば犬の飼主の連絡先が分かる仕組みになっています。
初めの犬は“AAA001”だったそうです。で、順番にいって、うちのクッキーは“VYT242”です。
刺青にかかる費用は、48.50ユーロ(1ユーロ=116円とすると5,600円ほど)くらいが相場で、もちろん飼主負担です。
ただ、こうして法律で定められた登録制度であっても、中には怠る飼主もいるのが現状です。
また、日本と違って大陸ならではの事情といえば、犬たちに(猫も)一匹ずつ健康手帳やパスポートがあるところです。もし犬や猫を連れて外国に行く場合は、予防接種をきちんと毎年受けていることを証明する健康手帳とパスポート、そして登録番号としての刺青が必要となり、それさえあれば、EU圏内は自由に行き来することができます。
しかし、EU圏内では、これらを原則は持参することとなっていますが、実際のところ、イチイチちゃんとチェックされることはなくたいていスルーできてしまいますので、出入国の際の繋留検疫などが無いことは、犬連れで旅行することが多いヨーロッパにおいては“便利”ではありますが、こういうところにルーズな一面を感じてしまいます。
とはいえ、人でもそんなにチェックされないEU諸国では当たり前といえば当たり前なのかもしれません。本来ならば、疫病対策としてしっかりとチェックしなければならない部分でしょうが、自分たちの利便性を優先させる辺りは、やはり国民性でしょうか…。
FRANCE report
担当:クッキー