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勝算と誤算2

さてさて、またしても中途半端なところで切ってしまった前回のエントリですが、結局のところ何が言いたかったかというと、私が、この業界に足を踏み込むに至った魅力とは、“この業界がビジネスとしては非常に未成熟な業界で、まだまだ開発の余地がある”ということで、手を付けられていないマーケットが広がっている“未開の鉱脈”に見えたからです。

で、こんなことを言うと、まず間違いなく「金の亡者か…」みたいにいう方が出てくるんですが、そういう「ビジネス」のことをよく分かっていない人のことは、とりあえず横に置いておいて、とにかく、飼い主さんへの付加価値の付け方として、様々なビジネスモデルが考え得る業界として非常に魅力を感じ、そこに勝算を見出したのです。

しかし、表題にもあるように『勝算と誤算』ですので、「誤算」もあった訳です。

ただ、この「誤算」というものは、大小様々で後になってからいくらでも出てくるもので、言い出したらキリがないですし、書いたところで愚痴にしかならないので割愛いたします。

では、話を前回のエントリの続きに戻しましょう。

私たちドッグトレーナーの仕事は、中身は違えど形態的には弁護士や会計士などの“士業”と呼ばれる職業と同じであるのにも関わらず業界を挙げて顧客単価が低い…時間単価を平均して比較するとおおよそ半額(弁護士:10,000円/時間、ドッグトレーナー:5,000円/時間)くらいと言われています。

しかも、私たちドッグトレーナーの業界には弁護士の業界のように成功報酬的な大口の報酬制度はありませんから、例の

(新規獲得)(レッスン開始)(問題解決)(終了)

のサイクル(断じてビジネスモデルとは呼べない)の中で常に新規顧客を獲得し続けなければならない訳です。

「そんなの当り前じゃない…」とおっしゃる方が多いのですが、でも実際、そんなことできますか?というか、そんな状態をキープし続けることができますか?

私も、独立間もない駆け出しの頃、今思えばホントにただがむしゃらに毎晩チラシを撒いて新規獲得のために奔走し、一年足らずで収入も安定し始め、ヤレヤレなんて思っていた矢先…世間で言う“夏休み”の時期と重なったこともあって、これまでのお客さんのお散歩代行とレッスン継続中の飼い主さん、そしてご新規の飼い主さん、すべてが相まってレッスンだけで一ヶ月に137コマ、毎日朝4:00から夜は23:00過ぎまで、お散歩の代行と出張レッスンに走り回り、稼ぎ出した売上げがようやく80万円ほど…忘れもしません、後から経理処理をしながら愕然としました。

「あれだけ働いても、この金額か…」というのが正直なところです。

「それだけ稼げりゃ良いじゃない…」、そうおっしゃる方もおられますが、でもこれ、売上げですからね…諸々の経費を差っ引いたら手元に残るのは約半分ちょっとです。

で、ほぼ自分の持てる力を出し切った状態ですからね…同じことをやっていたのでは、これ以上の売上げは見込めないという宣告を受けたのも同然です。しかも、この状態をキープし続けるってことは、100mダッシュの状態でマラソンを走り切ろうとするようなもの…残念ながら、それは無理です。

贅沢をしたい訳ではありません。それは、この金額を見ていただければ分かると思います。ひとりで暮していくだけならまだしも、家族がいる身としては、“これでは食っていけない…。”ということを身に沁みて実感した瞬間でした。

ということで、この業界、現状は生産性がとてつもなく低いんです。

なので、“あの”サイクルをビジネスモデルと呼んでいる間は、食っていけるような仕事にはならないんです。

あ、語弊の無いように言っときますが、もちろん、それで食ってる方もおられます。ただ、それは、そういう方が“ゼロではない”というだけのことで、ほとんどの方はそうならないという現実のお話だということでご理解くださいね。

では、どうすれば食っていける仕事になるのか?→大事なのはココ

次回に続きます。

カテゴリー: 業界の“お仕事”について — dlc-pro 10:05 AM

勝算と誤算

久々に“お仕事”の話題です。

このカテゴリーの前回のエントリ(かなり前になりますが…)で、“でも、「これなら食っていける!!」、そう確信しました。”なんて大それたことを書いていた訳ですが、なぜ、そう確信できたのか?

この仕事を生活の糧にされているドッグトレーナーさんには、参考になると思いますので、これからはその辺りを“ビジネス方面の専門家”としてお話させていただきます。

まず、私がこの業界に足を踏み入れたのは、以下の理由からです。

①少額の資金で始めることができる

②これといった大手企業が存在しない

③法律的な規制も無いに等しい(状態だった)

④動物が好きである

⑤ビジネス的な観点からはまだまだ開発の余地がある

細かく見ていけば、まだまだありますが、ザックリと大きく分けるとこんな感じです。

では、これらをちょっと解説してみましょう。

④は、とりあえず、“当たり前”の話なので、あえて取り上げません。

①~③は、何を示しているのかというと、

“参入障壁の低さ”

です。

私が、開業した当時(今から12年くらい前)は、「私は、ドッグトレーナーです!!」と宣言して関係各所に届け出をすれば、誰でもドッグトレーナーになれた時代でした。

んでもって、『出張訓練』という形態をとれば、これといったハード(サロンや訓練所のような設備)を持つ必要がないので、まさしく“少額の資金”で始めることができます。“少額の資金”で始めることができるということは、一般的にはそれだけでもかなり参入障壁が低いと言えます。ちなみに、私は、10万円の運転資金でスタートしました。

そして、当時は、法律的な規制もほとんど無いに等しい状況でしたので、そういう部分での参入障壁もありませんでしたし、私のような後発組の追随を阻むマーケットリーダーと呼べるような大手企業が存在しなかった(今も存在しない)ので、言ってしまえば、“ほぼ参入障壁が無い”業界だった(ここ最近は、動愛法の改正によって登録制になり、登録のための必要条件が少し引き上げられたような感じですが…)訳です。

こんな業界、他にもあるんでしょうが、そんな参入障壁の低さ以上に魅力的なところがあったんです。

それが⑤に繋がっていく訳ですが、しかし、本来、“参入障壁が低い”ということは、競争が激しくなる可能性が高い(2000年当時は、『出張訓練』というもの自体が今ほど普及していなかった)と予測できるので、当然のことながら、その辺りの研究は一応しました。

そして、当時も今も、この“ドッグトレーニング”や“犬のしつけ”と言われる業界では、ビジネスモデルそのものがほとんど変わっていない…というか、ビジネスモデルなんて呼べるものが見当たらないという事実を発見したんです。

つまり、

(新規獲得)→(レッスン開始)→(問題解決)→(終了)

この流れがあるだけです。

これをビジネスモデルというのであれば、ちょっとマズイ…あまりにも原始的過ぎます。

というか、これでは、仕事(業として生計を立てることができるもの)としてまず成立しません。

なぜか?

次回へ続きます。

カテゴリー: 業界の“お仕事”について — dlc-pro 3:51 AM

『行動分析学』との遭遇3

すみません。

中々『行動分析学』に出会わないですね…。

しかも、こんなエピソード…どうでもいい話ですよね…。

それにしてもまぁ~、こうして思い返せば一連の自分の行動は、非常に“雑”だなぁ~と実感します。

“分からないところを分かっている人に聞こう”と思い立ったところが“そーいう人たちが集まるところでまとめて聞いてしまおう”ってことですもんね…。“雑”過ぎる…。

でも、とにもかくにも行ってみた訳です…自分のやっていることの根拠探しへ…。

最初は「日本動物行動学会」という学会の年に一度の学術大会でした。

イヌに関する研究がホントに少なくて、非常にビックリしたのですが、その理由(ここでは詳しく説明しません。また後日ということで…)を聞いて超納得…、なんというのでしょうか、“研究する”ということの奥の深さを思い知らされた感じでした。

そんなこんなで数年が経ち、“イヌに関する研究”ばかりを探し回っていた私にとうとう運命の日がやってくる訳です。

以前にもこのブログに書きましたが、ある動物行動学の先生に言われた訳です。「犬のしつけに『動物行動学』は役に立たないよ。」って…。

「?????」、何を言いたいんだかサッパリ分かりませんでした。

「確かに私は“イヌ”という動物の行動について研究をしているが、“犬のしつけ”の研究はしていない。『動物行動学』とはそういう学問なので、どこまでいっても『動物行動学』では、あなたの問題を解決することはできない。」とも言われました。

ここでなんとなく分かってきたんですが、矢継ぎ早に「あなたたちドッグトレーナーという人たちは、一体何がしたいのですか?“イヌ”のことが知りたいんですか?“犬のしつけ”って“イヌ”を知ることなんですか?違いますよね!?“犬の行動を変える”ことが目的なんじゃないんですか?」と綺麗なワンツースリー…考える間もなくノックアウト寸前です。

で、極めつけは、

「だったら、『行動分析学』を学ぶべきじゃないんですか?」

の一言…。

色々と調べましたよぉ~。

そして、高山先生と出会い、今に至る訳です。

仕事の中身は、一変しました。

とてもドッグトレーナーなんて言えるような仕事をしていません。

収益構造も、まったく違う会社になってしまいました。

まだ儲けは、ほとんどありません。

でも、「これなら食っていける!!」、そう確信しました。

なぜ、そう確信できるのか?

その訳を次回からお話します。

DLC-PRO 山崎 崇

カテゴリー: 業界の“お仕事”について — dlc-pro 1:05 AM  コメント (0)

『行動分析学』との遭遇2

とまあ、こんな感じで、“ドッグトレーニング”とか“犬のしつけ”なんてものとは、まったく縁もゆかりもないところからこの業界に転がり込んできた訳ですが、何もなかったのかというとそうでもありません。

やはり、私も、ご多分に漏れず“動物好き”ではありましたので、その類の本は結構読んでいた方だと思います。で、その中でも“動物の行動”に関する専門書となれば、当然のように行き着く先は『動物行動学』の本だった訳です…。

が、これらは読んだといっても所詮は“独学”のレベルをどうあがいたって抜けられるはずもなく…なんですよ…。

そりゃそうですよね、本来は、大学と呼ばれるところで一つの学問として研究されたり議論されたりして、それでも中々答えが出なかったりするものなんですよね。それが、本を読んだだけで分かるか!?っちゅうたら、そりゃね…我ながらかなり学問もナメてたと反省しております。

とにかく、お客様である飼主様からお代を頂戴して、相談にのらせていただいたり、レッスンを行う訳ですから、自分のやっていることに根拠がなければ、「それは、業としてマズくはないか?」というところだけは根強くあって、それを『動物行動学』に求めた訳ですが、どうもシックリこない部分が所々に出てくる…、所々の間はまだ良いが、そのうちに所々では済まなくなってくる…その原因は後々分かってくるのですが、とりあえず、今はそのことには触れないでおきます。

で、とうとう居ても立ってもいられなくなって、本では理解し切れない部分を「“分かっている人”から聞いてみよう!!」、そして「おそらく“学会”というところには、そーいう人たちがいっぱい集まってくるんだろう」ということで、“自分のやっていることの根拠を探す学会巡り”の旅が始まったのでした。

あ、まだ『行動分析学』には、出会ってないです。

>>続きます。

DLC-PRO 山崎 崇

カテゴリー: 業界の“お仕事”について — dlc-pro 2:54 AM  コメント (0)

『行動分析学』との遭遇

現在、弊社の『行動分析学』に関する講義の講師をお願いしている高山先生が、ご自身の最近のブログで、「やっててよかった行動分析」という件で、“ご自身”“『行動分析学』”“お仕事”について、これまでの経緯を書かれていた。

それを見ながら、「そーいえば、自分にもこんなエピソードがあったよな~」と、独立した当時を思い出したのでした。

以前にもこのブログに書いたかもしれませんが、私は、元はただのサラリーマンでした。そして、さらに性質の悪いことに、“サラリーマンを続ける気がハナからないサラリーマン”でした。今考えても最悪なヤツです…。

とにかく、“独立すること”が目的になってしまっていたので、どの業種なら独立できそうか?そればかりを考えていました。

そこで目に留まったのが、この“ドッグトレーニング”の業界だったのです。

ドッグトレーニングを地で行く方からすれば、さらに“ふざけたヤツ”と思われるかもしれませんが、経済・経営系の学問を修めた者としては、当時のこの業界は、非常に魅力的な業界に映ったのです。

その理由は2つ…。

1.大手と呼ばれる企業がなく、既存の事業体のビジネスモデルが非常に原始的で生産性の悪いものであったため、新規参入しても集客に要するコストが非常に少なく済み、規模の大小に関係なく業務を効率化するだけである程度の競争力を補えると予測できるなど、参入障壁が非常に低かったこと。

2.“De Facto Standard(事実上の業界標準)”が脆弱なため、新たな“De Facto Standard”を確立し、消費者ベースでのマーケットシェアを塗り替えることができる可能性があるので、発展性という点では、相当の余地を残していたこと。

要するに、“手軽に始めることができて、キチンとやればかなりの発展が見込める”ということで、もちろん、この業界の構造的な欠陥もあるにはあったのですが、既述の通り、当時は“独立すること”が目的だったので、この2つの理由が、私をこの業界での独立へと導いたのでした。

あ、まだこの時は、『行動分析学』には出会ってません。

>>続きます。

DLC-PRO 山崎 崇

カテゴリー: 業界の“お仕事”について — dlc-pro 4:16 AM