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『行動学』を学びませんか!?(最終回)

今回で、このシリーズは一旦終了しようと考えております。

かといって、『行動学』(便宜上、こう言ってますが、実際は『行動分析学』です)を学ぶことをお勧めしなくなるということではありません。

やはり、私たちドッグトレーナーは、自らが行うドッグトレーニングの『技術』に関する『理論』は、“職責”として理解しておくべきだと思うのです。

なぜなら、この世の中に『理論』を伴わない『技術』など存在しないからです。つまり、私たちドッグトレーナーの扱うそれが『技術』であるというのであれば、そこに『理論』はあってしかるべきなのです。

なので、これまでにも、同業者であるドッグトレーナーに関して少々批判的な物言いをしてきましたが、決して非難している訳ではありません。(ここもしっかりと言葉の意味を理解してもらいたいのです。“批判”と“非難”とではその意味合いがまったく違ってきますので…。)

私たちは、当然のように来たるべき日に備えて、その準備を重ねておくことが必要なのではないか?ということが言いたいのです。

弊社は、その使い方を勉強できる場を提供しているだけであって、“〇〇流”とか“××式”として“DLC-PRO流”を広めようとしているのではありません。ただ単に、「皆さんがやっているドッグトレーニングの『理論』を理解しておいた方がいいよ~」ということを訴えているだけなのです。

「理論ならちゃんと持ってるよっ!!」とか「聞いたことがある」「理論としては知っている」とおっしゃる方はたくさんおられます。しかし、お話を聞いていると、昔の私とまるで同じことを述べられますので、どうやらそれは『理論』ではなく『持論』のようです。(←『理論』とは如何なるものかを理解している“識者”の方々と接してみれば分かりますよ。私たちドッグトレーナーが展開する『理論』なるものは、そのほとんどが『持論』レベルでしかないことが…。)

「聞いたことがある」「理論としては知っている」とおっしゃる方は、どうやらそれを使っていないようですし、使い方が分からないようでもあります…。

ここでは、そのような状態を“理解していない”状態であると表現しています。

これでは、顧客である飼主様に『技術』の根拠を説明する責任は果たせないですよね?

そんなレッスンを続けても良いものでしょうか!?

世間一般にも、『説明責任』は社会人として求められるところ…、自身を“プロ”であると自負するならば、やっていることの『説明責任』を果たせないのはあるまじき行為といえるでしょう。

ということで、まずは、きちんと『説明責任』を果たすことのできるドッグトレーナーになりましょう。そうすることで、この業界の社会的地位も少しは上向くのではないでしょうか?

そんな将来を目指し、DLC-PROは今後も『理論』を修得できる環境を提供し続けます。

DLC-PRO   山崎 崇

カテゴリー: 『行動学』を学びませんか? — dlc-pro 3:02 PM

環境が犬とオーナーを育む ―ドッグパーク編2(カナダ)―

Dali & Thomasです。

今日は、前回からの続きです。

カナダの現状が、「犬を飼う」という“文化”を考えるにあたって、非常に重要な事を示唆してくれる“本質”とは何か?ということだったんですが、これには、2つの重要ファクターがあって、

①政府主導での環境整備とルール構築、雇用創出。
②適切な環境下での犬との触れ合い方についての教育。

これらにより人間と犬が共存できる環境を作っているのだと考えてます。

<政府主導での環境整備>
もうお気づきかと思いますが、カナダでは、前回の記事にあるような環境を構築するために大勢の公務員のリソースを投入しています。
オタワは首都で国会があったり政府系の企業も多いのでオタワ市に住む70%が公務員といわれています。
また、カナダの公務員の収入は日本と比べて非常に良いです。たとえば市営バスの運転手やごみ収集も公務員ですが年収1000万円の人も多いです。なので、ドッグパークの保全もしっかりやってくれます。
“結局お金か?”とも思ってしまいますが、適切に税金が使われ人間と犬が共存出来る環境が昔から構築されているので私はこれでよいのだと思っています。したがって税金も高いです。所得税は35%-45%消費税は15%です。でもちゃんと税金を使ってくれるならば、私はなんとも思っていません。
自然保護・動物保護の仕事もかなりありますよね。政府が委託するケースもかなり多いと聞いています。

まあ、夏に犬を車に入れたまま飼い主がそばに居ない場合はすぐに警官が来て窓ガラスを割り、犬を救出し、飼い主に罰金を支払わせる国ですので動物愛護の考え方が日本と大きく違います。
日本では車に子供を置き去りにして耳を覆いたくなるような事件があると聞きました。これはカナダでは考えられない話です。

<適切な環境下での犬との触れ合い方についての教育>
カナダでは、基本的に家庭に子供ができると、「真冬でどんなに寒くても(マイナス30度でも)外の空気を吸わせる」というのは子供を教育するうえで基本のようです。したがってドッグパークにも赤ちゃん・幼稚園・小学生くらいの子供たちが親と一緒に犬の散歩に出かけてきます。その犬達も、知らない犬や子供たちと接し、子供たちも知らない犬と接することになります。そこで親達はどのように振舞うべきかを子供に教えるのと同時に犬に対しても「実地訓練」を行います。これが「日課」になりますからこのような子供たちが大人になったときには全然違いますよね。
したがって、マナーの悪い犬がいればそのオーナーを注意するのは当然のメンタリティーになっています。

時には、広大な土地で知らない犬同士がエスカレートすることもありますが、その際にも両オーナーのアクションは洗練されているように思えますし、大事になることを未然に防いでいると感じます。(特に平日の朝にドッグパークに来るオーナーはレベルが高い!すべてトレーナーじゃないの?と思ってしまうことが良くありました)

上記からすると、結局、社会問題の根本を解決しなければ本当の望む環境を日本で構築するのは難しいかなとも思えてしまいますが、エッセンスだけでも取り入れて環境を作って行くところからはじめればよいのではないかなと思います。子供に犬の訓練をさせたり動物愛護の精神を教えるのが長期的には重要ではないかと思います。

CANADA report
担当:Dali & Thomas

カテゴリー: 『行動学』を学びませんか? — dlc-pro 11:50 AM

お国変われば…。―畜犬登録編(フランス)―

私は、ワインで有名なフランス、ブリュゴーニュ地方の首都市ディジョン在住15年のクッキーです。ディジョンで結婚し、現在10歳と9歳の男の子がいます。

クッキー

普段は、プチホテルの経営www.petit-tertre.fr(←ちょっと宣伝です)と日本語補習授業校の校長兼会長をしているので、何かと忙しい毎日ですが、縁あって今回このようなレポートを書くことになりました。
日本のドッグトレーナーの皆さんが、日本で犬を飼う環境を整えていく上での良いヒントになればと思います。

さて、お国変われば犬事情も変わるもので、第一回目の今日はフランスの犬事情、登録制度についてのお話です。

こちらは初めて犬を飼った場合、獣医に連れて行き予防接種(これも、日本とは違うところが多いと思いますので後日reportします)を受けさせ、Société Centrale Canine(中央犬協会)が管理する登録番号を刺青で彫ってもらいます。これで、登録は完了。つまり、日本のように犬を管理するのは、お役所ではありません。

刺青を入れる箇所は、耳の裏側や太ももの裏側など飼い主が選びます。刺青で彫ってもらう登録番号は、犬のIdentityみたいなもので、日本でいう“micro-chip”のアナログ版とでもいえばいいでしょうか、万が一、迷子になった場合、その登録番号を調べれば犬の飼主の連絡先が分かる仕組みになっています。

初めの犬は“AAA001”だったそうです。で、順番にいって、うちのクッキーは“VYT242”です。
刺青にかかる費用は、48.50ユーロ(1ユーロ=116円とすると5,600円ほど)くらいが相場で、もちろん飼主負担です。

ただ、こうして法律で定められた登録制度であっても、中には怠る飼主もいるのが現状です。

また、日本と違って大陸ならではの事情といえば、犬たちに(猫も)一匹ずつ健康手帳パスポートがあるところです。もし犬や猫を連れて外国に行く場合は、予防接種をきちんと毎年受けていることを証明する健康手帳とパスポート、そして登録番号としての刺青が必要となり、それさえあれば、EU圏内は自由に行き来することができます。

しかし、EU圏内では、これらを原則は持参することとなっていますが、実際のところ、イチイチちゃんとチェックされることはなくたいていスルーできてしまいますので、出入国の際の繋留検疫などが無いことは、犬連れで旅行することが多いヨーロッパにおいては“便利”ではありますが、こういうところにルーズな一面を感じてしまいます。

とはいえ、人でもそんなにチェックされないEU諸国では当たり前といえば当たり前なのかもしれません。本来ならば、疫病対策としてしっかりとチェックしなければならない部分でしょうが、自分たちの利便性を優先させる辺りは、やはり国民性でしょうか…。

FRANCE report

担当:クッキー

カテゴリー: 『行動学』を学びませんか? — dlc-pro 1:39 PM

『行動学』を学びませんか!?(9)

では、今回も前回の回答です。

①消去バースト
②具体的な無視の指示
③60秒ルールによる無視の終了方法
④きちんとやらなかった時のリスク

ここまで説明しても、飼主様が“無視”を続けることができない理由とは何か?

それは、

“周囲の目(=ご近所への迷惑)”です。

もう、お分かりですよね!?

そう、飼主様には「我慢したくても我慢できない別の問題がある」のです。
問題とされる犬の行動が「要求吠え」で、他の問題行動と呼ばれるものと違う点は“周囲にもその影響が及ぶ”というところです。つまり、飼主様自身は我慢できるかもしれませんが、その吠え声が“周りの人”に迷惑をかけるようなことはしたくない訳で、これが愛犬への“無視”を妨げる大きな要因になるのです。

こうして考えると、飼主様もその行動においては例外無く“随伴性”の中にあり、やらなければならないことは分かっていても、続けることができなくなってしまうということが分かります。

「ずぅ~っと吠えてるので…」って、昔はよく言われたものです…。

そして、そこから先は、何もアドバイスできませんでした。

「無視するしかないじゃん…」って思っていたので…。

しかし、これでは何の解決にもならないんです。

で、今はどうしてるのか?

“ご近所の方々に、協力のお願いをして回り、質問や苦情については飼主様ではなく自分(=ドッグトレーナー)のところに連絡を入れてもらう”

ようにしています。
こうすることで、一連の作業における全責任をドッグトレーナーが負い責務をまっとうすると共に、飼主様は基本的には心置きなく“無視”ができ、「要求吠え」と呼ばれる問題行動の根本的解消に取り組むことができるようになります。

「なんだよ、またそんなことかよ~。」と思われるかもしれませんが、「要求吠え」に対する“無視”を確実に実行してもらえるようにするには、これは、かなり有効です。

そして、このような分野の識者の方たちと接することで、「あなたたちの仕事については、飼主様の環境を整えるというところに目を向けるのが『行動分析学』を学ぶ上での真骨頂ですよ。」という風に教わった結果として、今ではこうして皆さんにお伝えすることができるようになりました。確かに、こうした物の見方やそんな責任の取り方を教えてくれるドッグトレーニングの先生は今までいませんでしたからね…。

ということで、このブログに書いてきたことは、すべて教わった話です。まるで私のオリジナルのような話に見えたかもしれませんが、そこはハッキリさせておきましょう。

そうではありません。全部教わった話です。

「要求吠え」への対処から、ちょっと話の筋が逸れてしまいましたが、いかがでしたでしょうか?

『行動分析学』、あなたも一緒に学びませんか?

DLC-PRO 山崎 崇

カテゴリー: 『行動学』を学びませんか? — dlc-pro 4:55 PM  コメント (0)

環境が犬とオーナーを育む ―ドッグパーク編1(カナダ)―

Dali & Thomasです。
2頭のスプリンガースパニエルと共にちょっと都会の神戸から、結構田舎なカナダの首都に引っ越し3年半。相変わらず悪戦苦闘中の人間を尻目に、犬たちはカナダ生活を満喫中です。

Dali & Thomas

今回は、日本とは大きく違う環境のひとつとして、カナダのドッグラン事情をレポートします。ちなみに、こちらでは“ドッグラン”とは言わず、“ドッグパーク”と呼ぶのが一般的です。

まずは、私が、よく行くドッグパークを紹介します。
http://www.brucepit.com/

『ブルースピット』というオフリーシュパークなんですが、そうですね、東京ドームで言えば軽く4つは入るでしょう。
多彩なコースは犬のみならずオーナーから見ても魅力的です。
①広場(これだけでも十分広い)ではオーナー同士の情報交かねて犬のソーシャライズ
②林間コース、これは林の中を走ったりハンティングドックには最高のコースです。
③平野コース、草むらから鳥が飛びたつのでウチの犬もクレイジーになります。
④アップダウン、足の筋肉がつきます。おかげでウチの犬は非常に筋肉質なスプリンガーになってます。
⑤池、これは言うまでもありませんね。みんな飛び込んでしまいます!

*街中にも柵に囲まれたドッグパークがありますが、少しローカリズムが強く(これは所得層・人種含め)、「ご近所付き合い」に近い部分があるので私はあまり行きません。犬も楽しそうではないので。

上記のようなドッグパークは政府公認です。したがって、その管理(砂・土を最低1年に一回入れたり植樹したり、除雪)、人件費、等はすべて税金で運営されており、オタワにはこのような場所が2つあります。
これ以外に政府公認ではなくても自然をしっかり残した形での大きな公園(これも最低東京ドーム1.5個分はあるでしょう)が複数あります。
冬はカントリースキーのコースになります。

面白いのは
①犬の持ち込みを禁止するゾーン
②犬の持ち込みはOKだけど必ずリーシュしなければならないゾーン
③オフリーシュOKのゾーン
とはっきり分かれております。犬の持込が禁止されているゾーンは生態系を崩さないためです。見回りの警官(マウンテンバイクに乗った短パンにサングラスの警官)がきて、しっかりルールを守れてないオーナーがいる際には$100の罰金切符を切ります。

要は白黒はっきりしているということですね。

日本から見れば「広大な土地があるカナダなら当然かな?」とも取れますが、実はもう少し違う観点で捕らえなければ“本質”を見失います。

その“本質”とは何か!?

これは、「犬を飼う」という“文化”を考えるにあたって、非常に重要な事を示唆してくれるものですので、日本で犬に携わる仕事をされている方々は、是非参考にしてもらえればと思いますが、詳しくは、また次回に…。

CANADA report
担当:Dali & Thomas

カテゴリー: 『行動学』を学びませんか? — dlc-pro 11:39 AM