環境が犬とオーナーを育む ―ドッグパーク編2(カナダ)―

Dali & Thomasです。

今日は、前回からの続きです。

カナダの現状が、「犬を飼う」という“文化”を考えるにあたって、非常に重要な事を示唆してくれる“本質”とは何か?ということだったんですが、これには、2つの重要ファクターがあって、

①政府主導での環境整備とルール構築、雇用創出。
②適切な環境下での犬との触れ合い方についての教育。

これらにより人間と犬が共存できる環境を作っているのだと考えてます。

<政府主導での環境整備>
もうお気づきかと思いますが、カナダでは、前回の記事にあるような環境を構築するために大勢の公務員のリソースを投入しています。
オタワは首都で国会があったり政府系の企業も多いのでオタワ市に住む70%が公務員といわれています。
また、カナダの公務員の収入は日本と比べて非常に良いです。たとえば市営バスの運転手やごみ収集も公務員ですが年収1000万円の人も多いです。なので、ドッグパークの保全もしっかりやってくれます。
“結局お金か?”とも思ってしまいますが、適切に税金が使われ人間と犬が共存出来る環境が昔から構築されているので私はこれでよいのだと思っています。したがって税金も高いです。所得税は35%-45%消費税は15%です。でもちゃんと税金を使ってくれるならば、私はなんとも思っていません。
自然保護・動物保護の仕事もかなりありますよね。政府が委託するケースもかなり多いと聞いています。

まあ、夏に犬を車に入れたまま飼い主がそばに居ない場合はすぐに警官が来て窓ガラスを割り、犬を救出し、飼い主に罰金を支払わせる国ですので動物愛護の考え方が日本と大きく違います。
日本では車に子供を置き去りにして耳を覆いたくなるような事件があると聞きました。これはカナダでは考えられない話です。

<適切な環境下での犬との触れ合い方についての教育>
カナダでは、基本的に家庭に子供ができると、「真冬でどんなに寒くても(マイナス30度でも)外の空気を吸わせる」というのは子供を教育するうえで基本のようです。したがってドッグパークにも赤ちゃん・幼稚園・小学生くらいの子供たちが親と一緒に犬の散歩に出かけてきます。その犬達も、知らない犬や子供たちと接し、子供たちも知らない犬と接することになります。そこで親達はどのように振舞うべきかを子供に教えるのと同時に犬に対しても「実地訓練」を行います。これが「日課」になりますからこのような子供たちが大人になったときには全然違いますよね。
したがって、マナーの悪い犬がいればそのオーナーを注意するのは当然のメンタリティーになっています。

時には、広大な土地で知らない犬同士がエスカレートすることもありますが、その際にも両オーナーのアクションは洗練されているように思えますし、大事になることを未然に防いでいると感じます。(特に平日の朝にドッグパークに来るオーナーはレベルが高い!すべてトレーナーじゃないの?と思ってしまうことが良くありました)

上記からすると、結局、社会問題の根本を解決しなければ本当の望む環境を日本で構築するのは難しいかなとも思えてしまいますが、エッセンスだけでも取り入れて環境を作って行くところからはじめればよいのではないかなと思います。子供に犬の訓練をさせたり動物愛護の精神を教えるのが長期的には重要ではないかと思います。

CANADA report
担当:Dali & Thomas

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