学会でまなぶもの
なんだか前回のエントリを書いていて気付いたのですが、私、いろんな学会に足を運んでおりますが、行ったからといって、特に知識レベルで何かを得られている訳ではないんですよね…。
最初の頃は、よく「良い勉強になった」なんて、満足気に会場から帰ってきたものでしたが、ここ数年は、そうじゃないんですよ、実際のところ…。
じゃぁ、“何を”得ている(いた)のか?
それは、
良い刺激
だったんだと思います。
もう少し具体的に言うと、
色んな物の見方・考え方・捉え方
をその場で感じることができた(今でもそうです)ということだと思います。
私自身も、それまでには、自分なりに“イヌ”のことについては勉強してきたつもりだったんです。でも、こうした学会の現場に行ってみると、(“イヌ”の研究なんてほとんど無いんですが、数少ない“イヌ”についての発表があったりすると)これまでの自分では到底及びもつかない方法で“イヌ”に対するアプローチがなされている訳ですよ。
しかも、徹底的に、理論的に…。
そんな中に一日ドップリ浸かっていると、そりゃ、刺激も受けますよね。
そこで学ぶもの…、それは、「へぇ~、“理論的に”っていうのは、こんな風に検証しながら進めることなんだ…。」ということです。
そして、結論は考察へと続き、今後の展望が示されるという感じで締められているので、最終的には、“これ以上のことはまだ分からない…”ということになる訳ですから、つまり、“イヌ”に関する知識としては、そんなに大きなプラスにはなっていないということになる訳です。
「それじゃ、行く意味が無いんじゃない!?」とおっしゃるかもしれませんが、“イヌ”に関する情報で「学術的な」情報は、業界の中には、ほぼ皆無な状態ですから、こういうところで、研究者の方たちとお話をさせていただける機会を持てるということは、私としては、非常に貴重な時間であると感じています。これは、私が、“学術贔屓”だからではありません。いつも申し上げているように、“業”としては、「確かな根拠」をもって顧客である飼主さんに応じるべきだと考えているからであり、その「確かな根拠」が“学術”の世界にあるからなんです。そして、その“学術”の見解によれば、“これ以上のことはまだ分からない(分かっていない)”ということが、分かるんです!!
そう!!つまり、これまで業界の中で実しやかに囁かれ続けてきたことが、「どうやら怪しい…。」というところに目を向けることができるようになるんです!!
ということで、
分かっていないということが分かる
ということが、学会で学ぶ一番大きなものかもしれません。
つまらないことですか?
私は、これってすごく大事なことだと思うんですよね。
次回へ続きます。
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