行動学と行動心理学と動物行動学と行動分析学 2
こんにちは。
色々な行動学についてのお話、第2回目です。
前回は「動物行動学と、行動分析学は違うもの」というお話でした。
簡単にいえば、「動物行動学は、図鑑に載せるための学問」です。
じゃあ、「行動分析学は?」というお話です。
前回のエントリにも書いたように、「行動分析学」は「心理学」の中にあります。
心理学にも本当に色々あって、「社会心理学」「発達心理学」「知覚心理学」「生理心理学」「認知心理学」などなど、他にもたーっくさんあります。
お暇な方は、一度調べてみてください。
そんな心理学の中にあるのが、「行動分析学」です。
前回のエントリでも少し触れたように、行動分析学の研究によって「行動の原理」というものが明らかになりました。
この「行動の原理」というのは、別に難しいものでもなんでもありません。
ものすごく簡単に言えば「動物は、メリットを生む行動は何度もやるようになる」「デメリットを生んでしまう行動は、やらないようになる」というものです。
そして、この「行動原理」を応用して、色々なことに役立てていくことを目的としているのが、「行動分析学」です。
では、「どんなことに役立てて」いるのでしょうか?
行動分析学が、もっとも応用されているのは「発達障害児療育」と呼ばれる分野です。
自閉症や、アスペルガー障害を持っているお子さんは、様々な困難さを抱えています。
そうした「困難さ」を軽減したり、あるいは「困難さを持ったままでも、社会に進出できるお手伝い」をしたりすることも、行動分析学のフィールドです。
あるいは近年では「組織行動マネジメント」と呼ばれる分野での応用も見られるようになってきました。
「組織行動マネジメント」とは、これまた簡単にいえば「社員の仕事のミスを減らしたり、仕事をもっとやりやすくなるような環境を整えたりすること」といえるでしょうか。
他にも、学級崩壊への取り組みや、脱引きこもり支援、障害者の社会進出支援、特別支援教育など、およそ「行動に関わる事柄」なら、行動分析学が役に立っていたりすることが多いんですね。
そしてもちろん、動物の訓練や調教といった分野でも、応用されています。
個人的にもっとも応用できると考えているのが、「行動的な問題の改善」です。
いわゆる「問題行動をなおす」ですね。
犬のしつけにおける「行動的な問題の改善」。
これはもう、行動分析学がもっとも適していると、個人的には考えています。
このあたりのことを、また次回に。
高山 仁志