勝算と誤算
久々に“お仕事”の話題です。
このカテゴリーの前回のエントリ(かなり前になりますが…)で、“でも、「これなら食っていける!!」、そう確信しました。”なんて大それたことを書いていた訳ですが、なぜ、そう確信できたのか?
この仕事を生活の糧にされているドッグトレーナーさんには、参考になると思いますので、これからはその辺りを“ビジネス方面の専門家”としてお話させていただきます。
まず、私がこの業界に足を踏み入れたのは、以下の理由からです。
①少額の資金で始めることができる
②これといった大手企業が存在しない
③法律的な規制も無いに等しい(状態だった)
④動物が好きである
⑤ビジネス的な観点からはまだまだ開発の余地がある
細かく見ていけば、まだまだありますが、ザックリと大きく分けるとこんな感じです。
では、これらをちょっと解説してみましょう。
④は、とりあえず、“当たり前”の話なので、あえて取り上げません。
①~③は、何を示しているのかというと、
“参入障壁の低さ”
です。
私が、開業した当時(今から12年くらい前)は、「私は、ドッグトレーナーです!!」と宣言して関係各所に届け出をすれば、誰でもドッグトレーナーになれた時代でした。
んでもって、『出張訓練』という形態をとれば、これといったハード(サロンや訓練所のような設備)を持つ必要がないので、まさしく“少額の資金”で始めることができます。“少額の資金”で始めることができるということは、一般的にはそれだけでもかなり参入障壁が低いと言えます。ちなみに、私は、10万円の運転資金でスタートしました。
そして、当時は、法律的な規制もほとんど無いに等しい状況でしたので、そういう部分での参入障壁もありませんでしたし、私のような後発組の追随を阻むマーケットリーダーと呼べるような大手企業が存在しなかった(今も存在しない)ので、言ってしまえば、“ほぼ参入障壁が無い”業界だった(ここ最近は、動愛法の改正によって登録制になり、登録のための必要条件が少し引き上げられたような感じですが…)訳です。
こんな業界、他にもあるんでしょうが、そんな参入障壁の低さ以上に魅力的なところがあったんです。
それが⑤に繋がっていく訳ですが、しかし、本来、“参入障壁が低い”ということは、競争が激しくなる可能性が高い(2000年当時は、『出張訓練』というもの自体が今ほど普及していなかった)と予測できるので、当然のことながら、その辺りの研究は一応しました。
そして、当時も今も、この“ドッグトレーニング”や“犬のしつけ”と言われる業界では、ビジネスモデルそのものがほとんど変わっていない…というか、ビジネスモデルなんて呼べるものが見当たらないという事実を発見したんです。
つまり、
(新規獲得)→(レッスン開始)→(問題解決)→(終了)
この流れがあるだけです。
これをビジネスモデルというのであれば、ちょっとマズイ…あまりにも原始的過ぎます。
というか、これでは、仕事(業として生計を立てることができるもの)としてまず成立しません。
なぜか?
次回へ続きます。